753FURNITURE 家具製作の坂田です。
このコラムでは家具に関係する少しマニアックな内容を発信していきたいと思っています。
今回は木の性質について書いてみます。DIYするうえでも、知っていると少しは役に立つかもしれませんね。マニアックすぎるかな?
さて、木が反ると書いて「板」になりますよね。
まさに、板は反りやすいのです。
しかし、反りにくい板もあるのです。樹種の話ではありません。
板目(いため)といわれる板は反りやすいのです。
対して、柾目(まさめ)と呼ばれるものは反りにくいのです。
板目は、丸太の中心からずれて挽くと、年輪が平行ではなく山形や筍形の木目が現れるものです。
柾目は、丸太の中心に向かって挽いたときに現れる年輪が平行な木目のことです。板目と比べ歩留まりが悪くコスト高になるが、反りや収縮などの狂いが少ないです。
左が板目、右が柾目
この性質がわかっていれば、どうしても反ってほしくない場合など柾目を採用します。
その代表的なものが、建具になります。
和室の障子などの枠の部分を見るとおそらく柾目のはずです。
板戸など、鏡板と呼ばれる部分(枠の内側の板)は薄い板目を使っていたりします。
これは柾目の枠に溝を掘って、そこにはめ込むことで反りを抑制しています。
このように、昔から木の性質を理解して作られています。
では、反るのだったら釘やネジ、接着剤で固定してしまってはどうでしょうか?
それもありですが、実は反るということは、木が伸縮しているということなんです。
ということはがっちり固定していると、なんと割れが発生することもあります。
特に幅が大きくなればそれだけ縮む量も多くなります。
なので先ほど書いた、建具の鏡板は基本的には釘は使わず(ずれるのを止めるために1~2か所だけ止めることも)、溝にはめ込むだけで溝の中で収縮しても動けるようにしています。
このような、性質を理解すると例えば、テーブルの反りを止めるのはどうしようか?
固定するのはどうしようか?ということを考えて制作できます。
いろいろな方法があるので今回は書きませんが(おいおい書くかもです。)、ただ単にネジで固定していいものかどうか…と悩むはずです。
木は湿度が高いと膨らみ、乾燥すると縮みます。
なので、エアコンやファンヒーターは無垢の家具には大敵です。また、直射日光もよくないですね。
話があっちこっちに飛んでいますが、木は反るということを理解してほしいのです。
次回もこんな感じで、マニアック?な話を書いてみますのでお楽しみに?