冬の間はほとんど雨が降らず乾燥した毎日でしたが、ここの所雨が降ったりたまに晴れたりして
天候不順な日々が続いていますが、昼間はこのところ暖かく季節は確実に春に向かっているように感じられます。
この春雨のように(降ったり止んだりするように)雑用をしたりしなかったりしている代表の松葉です。
今回も十津川材についてコラムを書こうと思います。
十津川村は地形(急斜面)のおかげで強い材が育ちますが、その反動もあります。
斜面に植えられた木は平地に植えられた木に比べて引力や雪の影響を木の根元部分に受けます。
その影響を受けた部分を林業関係者の間では『アテ』と言います。
〔写真では分かり難いかもわかりませんが、弓のように曲がった部分です〕
このアテ(アテ材)は製材業者や大工さんは使うのを嫌います。
アテ材は長年その曲がった部分に力が加わっていたので
製材して柱や板に加工してしまうと加わっていた力から解放されてしまい変形したり曲がったりします。
そのために使うのを嫌がるのです。
でも昔はその曲がった材を梁として上手に使っていました。
曲がった材は弓型のように弧を描いていますので外側の部分は押してくる力に対して強いです。
(アーチ式ダム(黒部ダムのような)はその力をうまく利用しています)
〔上記は曲がった梁を使った建物の写真です 〕
今では曲がった梁を使って建物を建てることは少なくなってきましたので、アテ材の利用は難しくなりつつあります。
和 -nagomi- ではアテ材を有効利用するために、家具製作に使おうと日々試行錯誤しています。