色がお互いに影響しあう現象には
ここまでお話しした対比とは反対に
色と色とが似たように見える同化というものもあります
下の画像では、
白い線を入れた左のグレーは明るく
黒い線を入れた右のグレーは暗く見えます
どちらのグレーも同じ色ですが、左右それぞれが線の色と同化して明暗が違って見えます
次のように、緑色に黄色と青色の線を入れてみると
黄色の線が入った左側は黄味がかった緑に、
青色の線が入った右側は青味がかった緑に見えます
同化によって背景の緑色の色味が違って見えるのです
今度は、青系の背景に
同じ青系の線とグレーの線を入れてみます
左側の青は鮮やかに見えるのに対して
右側の青はくすんだように見えます
3つの例でわかるように
同化によって背景の明度、色相、彩度が変わって見えます
この同化現象は柄が細かいほど起こりやすく
色鉛筆の混色は同化現象で色に深みを感じさせています
同化のもっと身近な例として
赤いネットに入ったみかんを買い、ネットから出した時に
みかんの赤みが足りずに「あれ?」と思うことはないですか?
赤いネットに入っている時は、オレンジ色のみかんがネットの色に同化して
赤っぽく見えていたわけです
ストライプや網目などの模様が細かく、地色とその色味や明度が近いほどこの現象は顕著です
オクラや枝豆が緑のネットに入れて売っているのも、この効果を上手く利用して
鮮やかに見せているのです
尾藤